J.Score(AIスコア)は学習意欲向上に使えるか
中国ではアリババの「芝麻信用」という信用スコアが定着しているようで、 前から少し興味を持っていました。
調べてみると、この「芝麻信用」に似たサービスとして、日本でも「J.Score」というAIスコアレンディングサービスが存在するようで。
J.Scoreはあなたが提供したさまざまな情報を先進的なAI技術で分析し、将来の可能性を総合的にAIスコア化します。 年齢や年収、勤務先といった情報だけではなく、性格や好み、ライフスタイルなどこれまで加味されてこなかったような多種・大量の情報を先進的なAI技術で分析しますので、これまでよりもあなたの可能性や信頼性を公正にスコア化します。 またAIスコアはあなたが提供する情報が増えれば増えるほど精度が増し、ご自身の可能性や信頼性をAIスコアに反映させることができます。その結果、スコアアップする可能性があります。 しかも、提供する情報はご自身で決めることができるので安心です。 AIスコアは個人向け融資サービス『スコアレンディング』をはじめ、今後さまざまなサービスで活用できるようになります。
自分の可能性をAIがスコア化。なんか面白そう。
更に、こんな記事も。
もう自分の「AIスコア」を測った? J.Scoreの新アプリがビジネスパーソンの“モチベーション増幅ツール”になる理由 - ITmedia NEWS
スキルアップのモチベーションのため、Jスコアを活用しよう、というもの。
AIスコアを学習意欲向上に使いたい
照明/LEDからIT/データ分析関連の部署に異動して1年。
色々と欠けた知識を補うための勉強が必要でした(これからも)。
何とか、上手いこと学習を進める手段がないかと思い、 「合格」という明確なゴールのある資格試験を通じて、 ゲーム感覚で自己学習を進めてきました*1。
これには一定の成果があったと思ってますが、
更なるモチベーションupのために、このAIスコアが活用できないかと考えました。
資格を取る度にスコアが変化していったら、RPGのようで面白そう。
ということで早速試してみました。
J.Score、試してみる
初期登録
スマホでアプリを入れ*2、アカウント登録。
AIスコア診断
チャット形式で最初の質問に答える。
誕生年月、性別、最終学歴、勤務形態、業種、職種、企業規模、入社年月、年収、結婚、家族構成、住居タイプ、他社借入
辺りを聞かれる。
一通り答え終わると得点が。
うーん。高いのか低いのか分からない。中央値くらい?
スコアアップ
追加の質問に答えると得点が変化。 さっきより突っ込んだ内容が聞かれる。
具体的な大学名、持ってるゲーム機、果てはテレビのインチサイズなんかも。
ヤフーやみずほ銀行との連携で購買情報なんかも取得出来るようだが、元のサービスを使用していないので対象外。
答えられる質問には、全て答えた!さあ、得点は?
うーん。高いのか低いのか分からない。
とりあえず、上のリンクの「スキルアップに努力を惜しまないエンジニアの鳥取さん(仮名)」よりは低い模様。
ハビットチェンジ
日々の習慣を元にスコアが診断されるようです。
運動
スマホの情報と紐付いて、歩数、歩いた距離が取得される。どの程度でスコアが変化するかよく分からない。
学習
ビジネス書の要約とコラムが読める。どの程度でスコアが変化するかよく分からない。日々の学習時間、とか任意の本の読了数とかだったらもっと良いな、と思った。
睡眠
起床、就寝時間を設定。よく分からんけど、只のアラームに見える。
お金
購入したものを、支出か自己投資に振り分けて記録する。発想は面白いけど、既存の家計簿アプリ使ってる人は二度手間だとおもう。連携するといいのに。
で、学習意欲向上に使えるの?
結論としては、中々難しそうかなと。
当初の目的だった、資格試験ですが、 TOEIC点数と保有資格に関する質問があります。 しかし、保有資格は下記の難関資格から選択する形で、それ以外の資格は 反映することが出来ません。
弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、司法書士、社労士、医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、 一級建築士、不動産鑑定士、第一級総合無線通信士、ITストラテジスト、システム監査技術者、 プロジェクトマネージャー、気象予報士、簿記1級
たとえば、先日合格したG検定なんかは登録できない。 こういう、合格率が高く、取っただけではそんなに満足感がないものにこそ、スコアupという別の達成感を持たせたかったのだけど。
まあでもこれは考えてみると当たり前で、そんな簡単な資格で点数上げてたら、スコアの全体整合が取れないんですよね。
簡単な資格で1点ずつ稼いで、満点になりました、みたいなことになりかねない*3。
単純にスコア付けるだけなら良いですが、リワードやキャッシングとも関わってくるので、
その辺は中々難しいんでしょう。
まとめ
当初想定していた使い方は中々難しそうです。 ただ、IPAの一部試験は登録出来るようなので、取ったら登録して、どんくらいスコアが上がるか、 試してみようかと思います。
それはそれとして
こういう信用スコアとかって
どんな形でスコア算出のモデルを構築するんでしょう?
・将来の可能性の定義は?
・変数の重み付けは?
・教師データがあるの?
・それとも恣意的に係数を決定してる?
実は単純にファイナンス的な要素だけが、
将来の可能性として置き換えられているのかも、と思ったり。
生涯の収入とか、借りた金ちゃんと返すか、みたいな。
そうすると、参考になるデータもあるし、問題設定が簡単になりそう。
今後は、J.Score利用者の回答と実際の購買履歴やキャッシングの使用実績が
溜まってくるので、それも使ってモデル再構築も随時行うのかもしれません。
あと疑問なのは、持ってるゲーム機とかテレビのインチサイズって、本当にスコア算出に必要?ってことですね。
PS4ユーザの方が、Switchユーザより将来性が高いとかある?(あるかもしれませんが。) 単純に購買力の判断材料なんでしょうか。
ただ、一つ思うのが、テレビメーカやゲーム機メーカは、どんな人が自社製品を買っている(あるいは買っていない)という情報に興味があるという点ですね。 そういった意味で、さり気にこんな質問を紛らせておいて、 関連する企業に情報を売り込むのでは、というのは流石に穿った見方でしょうか?*4