QC検定1級合格記
2019年9月開催のQC検定1級に合格しました。
8月中旬に第二子誕生などのイベントもあり、なかなか勉強時間が取れませんでしたが何とか合格。結局、本腰を入れて勉強出来たのは一週間程度でした。
あくまで学習のモチベーション維持のために資格を受けてるのですが*1、今回は準備期間があまりに短かったので、かなり試験合格に最適化してしまいました。恥ずかしながら。
やんごとなき事情でどうしてもQC検定1級に合格しないといけない、という人もいるかもしれません。そういう方に役立つことを期待し、合格記としてまとめたいと思います。
QC検定1級とは?
品質管理に関する知識について評価する検定です。
1級はこの最上級に当たります。
試験範囲
工場のマネジメントに関することから、一通りの具体的な手法まで出題されます。範囲はかなり広め。
試験要項
試験時間 120分:マークシート・論述
合格基準(aかつbかつc)
(a)
一次試験(手法分野、実践分野):各分野の得点が概ね50%以上であること。及び、総合得点(手法分野+実践分野)が概ね70%以上であること。
(b)
二次試験(論述):得点が概ね50%以上。
(c)
総合得点(一次・二次試験の合計点)が概ね70%以上。
このややこしい合格基準がQC検定1級の肝です。
また一次、二次となっていますが試験時間が分かれている訳ではなく、全て120分の中で解く必要があります。
試験攻略のポイント
QC検定1級は大きく分けて3つのパートに分かれます。
①マークシート(手法分野)
具体的なQC手法についての計算問題
②マークシート(実践分野)
QC活動に関する語句問題
③論述
与えられた題目に関してA4 1枚で論述
合格する為には
①②③それぞれで50%以上
①+②が70%以上
①+②+③が70%以上
である必要があります。
この合格条件を達成する事を意識して、準備に費やす時間や試験中の時間配分のリソースを考えることが重要です。
特にマークシートの①手法と②実践がポイントです。
①手法は範囲が広く、各々の問題で割と突っ込んだことを聞かれます。多くは計算問題です。中々の高難易度です。
反面、②実践は語句を暗記していれば簡単に90%程度は取れます。
①手法だけ見るとかなり高難易度なのですが、②実践でカバーできれば5,6割程度が合格ラインとなります。
最小のリソースで②実践で高得点を取りつつ、①手法の凹みをカバーすることになるでしょう。
勉強方法
1週間コース
私の場合は、1週間程度しか残り時間がなかったので下記の参考書1冊に集中しました。
【新レベル表対応版】QC検定1級模擬問題集 (品質管理検定講座)
- 作者: 細谷克也,岩崎日出男,今野勤,竹山象三,竹士伊知郎,西敏明
- 出版社/メーカー: 日科技連出版社
- 発売日: 2016/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
各単目ごと複数の出題パターンが掲載されているので、網羅性が高いです。解説がしっかりされているので副読本なしでも学習を進めていけます。
特出すべき点として、この本には論述の問題も掲載されています。論述については参考情報があまりないので、これは大変助かりました。
ざっとまずは順繰りに解いていき、その後、手法分野の解法パターンを頭に刷り込ませました。論述についてはあまり時間が取れず、当日の午前に問題と模範解答を読んでイメージを作っていきました。
結果としてこのリソース配分は正解だったように思います。手法分野に多くの時間を割くのが良いでしょう。
じっくりコース
しっかりと準備期間を取って勉強しながら資格取得を目指したい、またはあまりQC分野に明るくないという方向けの勉強方法も考えてみました。
まずは読み物でQCについて理解する。大村平さんの下記シリーズは大変読みやすいです。
- 作者: 大村平
- 出版社/メーカー: 日科技連出版社
- 発売日: 2014/01/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 大村平
- 出版社/メーカー: 日科技連出版社
- 発売日: 2013/01/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
あとは、上の1週間コースで挙げた模擬問題集にプラスして下記を解く。
- 作者: QC検定過去問題解説委員会,仁科健
- 出版社/メーカー: 日本規格協会
- 発売日: 2019/07/29
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
2015年改定レベル表対応 品質管理の演習問題と解説(手法編) QC検定試験1級対応
- 作者: 新藤久和
- 出版社/メーカー: 日本規格協会
- 発売日: 2015/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
1つ目は過去問題集、2つ目は手法分野に特化した問題集です。たくさんの問題に触れて引き出しを増やしておくと良いと思います。
そもそも論として、じっくりやりたかったらまずは2級から取得するのが良いかもしれません。
試験本番
とにかく時間配分が大切です。
じっくり解いていくと120分は確実にオーバーします。手法分野は計算問題なので、すぐに解答は思い浮かばないがじっくり考えれば分かりそう、みたいな問題が結構あります。実践分野は選択肢の中に似たような単語があって、どちらが適切か迷う時があります。これらに気を取られて時間を掛けてしまうと時間overで詰みます。手法分野、実践分野、論述に掛ける時間を予め決めておき、それに沿って解いていきましょう。
順番としては、実践→手法→論述→手法の順番がオススメです。
実践は簡単なのでスラスラ解けます。勢いを付けるのに良いです。この時点で120分というとかなり時間があるように感じますが、全然時間はないのでスピードを意識しましょう。10~20分くらいで終わらせたいところです。
手法は解ける大問、解けない大問がはっきり分かります。まずは全体をザッと解くことをオススメします。この段階で解けた問題、解けないが時間を掛ければ解けそうな問題、解けない問題に切り分けておくと良いです。残り1時間程度になったら論述に移行します。
残りの1時間で論述に取り組みます。一般論ですが、書き始める前にざっくりとした構成を考えておくと書いている途中で迷子にならずに済みます。
論述終了後、余った時間は手法に戻って、解けないが時間をかければ解けそうな問題中心に取り組みます。また、正しい解答は分からないが確実に間違っている選択肢は除外できる、というケースもあるので、そういったケースの当てずっぽうの的中確率を少しでも高めていく、というのも意外に重要です。ここでの粘りが合否に大きく影響を与えます。
さいごに
QC検定1級に合格するためのポイントを、今回の体験を元にまとめてみました。合格率だけ見るとすごく難関資格に見えますが、ツボを抑えればそこまで合格は遠くないと思います。興味がある方はぜひ挑戦してみてください。
私は、今年中は資格取得はお休みして、データ分析コンペ「kaggle」に挑戦したいと思います。何とかメダルが取れると良いのですが...。
*1:IPAは会社から報奨金が出るのでお金目当て